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CATEGORY意思決定

SOURCE書籍

TITLENEWTYPE / 山口周

サムネイル山口 周 著
ダイヤモンド社出版

自分が普段もやもやと悩んでいたことを整理して解説してくれていてとても興味深かったのでご紹介です。
内容として、これまで重要であった設定済の課題を解決する力に価値はなくなってきており、今後は課題解決者ではなく課題設定者に価値がある、という点を挙げ、今後求められる思考や行動様式について述べているものです。

  • VUCAの時代に於ける経験/予測の価値低下、という点を挙げ、これまでの論理だけではなく直観をmixした対応の重要性が語られています。個人的にはそれはそうと思いつつも、論理が足りずに直観が重視されればされるほど、騙される人も多くなり、最低限の論理は飽和しているものの、捨てるべきものではないと思いました。価値がなくなるのではなく低下するというのはその通りと思います。
  • 課題設定のためにも、”How?” よりも”What?”や”Why?”が大事になるという点が挙げられていますが、ビジネスモデルの効率性よりも社会や環境に対する責任を果たすという明快なストーリーを前面に出しているパタゴニアの事例を思い出しました。
  • 有名なマヌケアリの方が真面目なアリよりも中長期では効率的という事例が挙げられていますが、「規律」と「遊び」のバランスは本当に大事だなと改めて思います。一般的な企業では「戦略整合性」から離れる取組みを排除することが多く、「遊び」は個々人の自由意思に任されている。従って「規律」に従って「本業」に余裕があるときに一部の意識の高い人が「遊び」として取組むことに頼っているかと思います。これをGoogleのようなカルチャーを持たない企業でどのように制度設計していけるかは検討しなければいけないと思います。
  • 自由民主主義社会に於ける企業は社会主義、といった点が挙げられています。検索、交渉、契約、監視といった点の効率性のボトルネックが、情報技術の発達により、よりフリーランス的な仕事が増えることを予想しており、昨今の流れの背景として説明しています。
  • キャリアのバーベル戦略、この名前は初めて聞きましたが、90%会計士、10%ロックスターといった極端に異なったリスクの仕事を複数抱えることをすすめています。この書籍を読みながら自分にとっての「10%のロックスター」として何か新しいものがないかなと考えていたのが、リソースに限りのある中小企業に対して経営アドバイスを提供する経営相談所の運営をできたらと想像し、me Branchを起草致しました。
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